二分間憎悪報告書

【③紅く鮮やかな永遠～フローチャート～】



今回は諸事情で
完全エロゲー仕様で漫画執筆をしたので
この作品にはフローチャートがあります！
フラグ管理もしていたり。
エロゲは作らないけどね……。

漫画本編は何度かバッドエンドを迎えて
メインルートへのフラグがオンになってから
メインルートへ入った、という状態からのスタートです。

宇佐美は頭のいい人なので、
過去の自分との自己矛盾に論破された、
自分で自分の論理破綻に負けた、
普段は「そんなの人間なら普通にあるでしょ」
と流せることでも
伊藤くんの命がかかっていたので流せなかった、
という構成になっています。

聖霊降臨に至る過程（いわゆる悟りとか奇跡と言われる類いのアレ）も
人によって思考プロセスが異なるので、
ゼニマル独自の思考プロセスってどんなやろ？と
ハゲるくらいに悩みました。
エロゲーでは奇跡表現は鉄板なのでちゃんと入れないとなと。

色んなタイプの人から聖霊降臨に至る過程を聞いたけど、
それでもきちんとゴールにたどり着くのが不思議なのよね。
例えるなら同じ大阪駅には必ず到着するんだけど、
徒歩で行くのか新幹線で行くのか飛行機で行くのか、
地下鉄で行くのかJRで行くのかの違い、みたいな…。



私は特定の宗教には入っていないのですが、
神を信じない派の方から話を聞いていると
「それって単なる聖霊降臨の言い換えやん」
みたいな現象が起こるのが面白いんです。
表現がそれぞれ個性的だし、思考プロセスも全然違うの。
でも言ってることは聖霊降臨なの。

逆に信じてる派の方の話は何故か似たような表現になりがちで。
アレって何でなんだろう。
人によって感じ方や捉え方は違うはずなのに。

エンタメ表現は一般大衆に分かりやすく伝える必要があるから、
共通幻想に寄せるのは理解出来るし、私もやりますよ。
体験談ならそれぞれ違っていていいよね？
それが何で似てしまうんだろう、謎だ。
やはり所属しているコミュニティを意識するからそうなるのかな？

…ああ、ナルホド。
信じてる派は宗教勧誘フェーズに入るから、
体験談を共通幻想として伝えるのか。
だから似てくるのか。
“体験談をエンタメ表現にして
一般大衆に分かりやすく伝える必要があるから”だ。
自己解決してしまった。
多分これが理由な気がする。

そしてその共通幻想が伝わりやすくて便利だから
表現者はモリモリ活用すると。
うん、上手く循環している…。
宗教勧誘のメカニズムって良く出来てるのね。
広報活動のお手本にしたい。



今回、宇佐美銭丸というキャラクターを描くにあたって、
ゼニマルは恐らく脳内で
ロジックツリーをゴリゴリに組む人だろうから、
エロゲーのフローチャートとフラグ管理という考え方は
合っていたのかも知れません。
今回挑戦してみて良かったです。
頭のいい人描くの、ホンマ難しいわ……。

伊藤くんのあの独特の詩的な言い回しも
どう再現したらいいのか相当に悩みました。
脳内で「伊藤くんスクリプト」を組みましたよ。
上手く表現出来てるかしら…。

今まで描いたことのないキャラクターを描けて楽しかったです。
これが表現の醍醐味ってやつなんだろうな。
漫画描いてると幸せなんだ。

#紅く鮮やかなおまけ